声がかれる
どんな症状?
喉頭の様々な病気や、全身の病気、また鼻の病気などでも声がかれることがあります。耳鼻科では嗄声(声の嗄れ)をGRBAS法という方法で評価することが多いです。G: grade(どのくらい声がかれているかの程度)、R: rough(粗ぞう性=荒さ)、B: breathy(気息性=息もれ)、A: asthenic(無力性=声の力のなさ)、S: strained(努力性=声を出しにくさ)という点から評価するものです。問診をしながらこれらの評価をします。
また問診では原因を推察するために、アレルギーがあるか、逆流性食道炎などのどに影響する病気がないか、心臓や腎臓の病気がないか、ホルモン剤など飲んでいる薬の内容、声をよく使う仕事か、趣味などで声をよく使うか、喫煙の有無、生活環境にのどを刺激するようなものはないか、鼻の病気はないか、などの点についても聞かれます。
検査としては、間接喉頭鏡(丸い小さい鏡のようなもの)や、喉頭ファイバースコープなどで声帯を観察するのが一番です。喉頭ストロボスコピーという検査をする場合もあります。 その他、必要に応じて血液検査や食道の検査、鼻のレントゲンなども行われることがあります。
物理的な通過障害
- 急性喉頭炎 - 風邪と一緒に、または風邪の後に続いておこるので、くしゃみ、鼻水、咳、発熱などを伴うことが多いです。
- 慢性喉頭炎 - 声をよく使う人や、持続的に空気の悪いところで過ごす人、喫煙の多い人などに見られる、声帯の慢性炎症です。嗄声の期間が長いことがほとんどです。慢性喉頭炎の中には、喉頭結節(両方の声帯に小さな突起ができる)や、声帯ポリープ、ポリープ様声帯(声帯全体がポリープのように腫れている)などの特殊なタイプも含まれます。
- 反回神経麻痺 - 喉頭を動かす神経のひとつに反回神経というのがあるのですが、これは喉頭に到達する前に、胸の方まで一旦下がって血管をくるっと回って喉頭に届くので、こう呼ばれています。この神経はこのように長い神経なので、いろんな原因で途中損傷を受けることが多く、この損傷によって声帯の動きが悪くなり、嗄声を来します。
- 喉頭癌 - 声帯や、その上下にできるガンで、嗄声が初発症状のことが少なくありません。喫煙との関係が大きいです。
- 全身麻酔後 - 全身麻酔の後、まれに声帯を動かす筋が損傷されて、嗄声を来すことがあります。
- ヒステリー - ヒステリー症状のひとつに、声が出ないということがあります。これは嗄声というよりも失声と言われることが多いです。
- その他 - 炎症のあと声帯が固くなったり、高齢の方で声帯が乾燥したり 、のどのアレルギー症状のひとつとして嗄声が見られることがあります。