耳鼻科の病気

アレルギー検査

アレルギーの診断には、病状や生活の様子など、詳しく問診をすること、鼻の粘膜の状態などを丁寧に診察することが大事ですが、それだけでは不確かな場合が多く、様々な検査が行われます。

鼻汁検査

鼻汁をスライドグラスに薄く広げ、それを白血球を染める染色液で染色して顕微鏡で見ます。アレルギーのある患者さんのうち約80%の人では、鼻汁中に好酸球という種類の白血球が増えています。

皮膚テスト

アレルギーをひき起こす元になっていると思われる抗原(アレルゲン)の抽出液を、少量 皮膚に吸収させて、反応を見る検査です。皮膚に吸収させる方法として、プリックテスト(針で軽く突く)、スクラッチテスト(ひっかく)、皮内反応(ツベルクリン検査のように注射器で皮内に浅く抽出液を入れる)などがあります。アレルギーのある場合は15~30分後に赤く腫れたり水泡ができたりします。短時間で判定できるので便利ですが、アレルギー反応を人工的におこさせるわけですから、強い反応が出る場合もあります。

血液検査

血液中の抗体を測定します。アレルギーをおこす抗体はIgEという抗体です。IgEの総量 をはかる検査をRIST(radioimmunosorbent test)、それぞれの抗原に特異的なIgEの量 を測定する検査をRAST(radioallergosorbent test)と言います。RISTは鼻アレルギーの患者さんの場合、正常値のことも多く、あまり診断的価値は高くありません。RASTはかなり確実ですし、検査する抗原の数が多くなると、検査費用が高くなりがちです。ですが検査が簡便で信頼性があり、また調べられる抗原の種類も他の検査とはくらべられないくらい多いので、RASTは現在広く用いられている検査です。

鼻誘発テスト

鼻の中に抗原を直接入れて、鼻症状を見る検査です。直径2mmの濾紙に抗原抽出液を染み込ませたものを下鼻道に置き、5~15分後に鼻症状(かゆみ、くしゃみなど)、鼻粘膜の所見、水溶性鼻汁の有無、などを診ます。もっとも直接的な検査なのですが、濾紙を置く場所によって反応が変わることがあるなど結果 のばらつきがあり、また一度にはひとつの抗原についてのみしか検査ができないなどの難点があります。また、実際にこの検査に使用できる抗原抽出液の種類が少ないのも問題点です。

他にも症状に応じて、鼻腔通気度検査やレントゲン検査などが行われることがあります。

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