耳鼻科の病気

扁桃病巣感染

概要

病巣感染とは、身体のどこかに慢性の感染症があって、その部分はほとんど無症状なのに、どこか離れた臓器に二次的に障害を引き起こす病態のことです。病巣感染の原因として、もっとも多いのが慢性扁桃炎です。

慢性扁桃炎から病巣感染が起こるのには、アレルギーが関係していると言われています。アレルギーと言っても、花粉症やアトピー性皮膚炎のような1型アレルギーではなくて、アルサス型と呼ばれるアレルギーです。扁桃が慢性炎症を起こすと、扁桃腺の上皮が変性します。すると、もともとリンパ球の集まる場所である扁桃はその上皮に対する抗体を作ります。ここで作られた抗原(上皮)や抗体や抗原と抗体のくっついたものは少しずつ血中に運ばれて全身のリンパ組織を刺激します。すると全身のリンパ組織でも似たような抗体産生が始まります。これらの抗体が、扁桃の上皮と似たような組織(皮膚、腎臓、心筋などにあります)を攻撃しはじめるのです。

症状

扁桃炎に関連した症状としては、軽い咽頭痛、乾燥感、違和感などが一般的です。これに加えて全身症状として、倦怠感、肩凝り、微熱、関節痛などもみられることがあります。

二次感染として多いのは、掌蹠膿疱症、IgA腎症、慢性関節リウマチなどで、それぞれの症状が見られます。また原因不明の発熱などが扁桃病巣感染によるものである場合もあります。

検査、診断

扁桃は硬くて、膿栓があったり周りと癒着していることもあります。肉眼的には正常のこともあり、診察だけでは診断できないことが多いです。

確実な診断として、誘発法と打消法があります。誘発法とま、手や超短波により扁桃を5分間刺激し、体温、白血球数、赤沈、二次感染の症状の変化を調べます。病巣感染の場合は、体温、白血球数が上昇し、赤沈が亢進し、二次感染の症状が悪化します。

打消法では、消毒液で扁桃を洗浄したり、扁桃を吸引してくぼみについた膿などを除去した後に、熱やそれぞれ二次感染の症状が改善するかどうかを調べます。

その他、急性扁桃炎の時と同様に、CRP、ASO、ASK、ASLなどの血液検査の数値も参考にされることが多いです。

治療

病巣感染と診断されたら、扁桃摘出術の適応となります。二次感染と考えられる多くの疾患に対して、扁桃摘出は70~80%の効果があるとされています。ただ有効な場合も、扁桃摘出だけで完治するのではなくて、他の治療との組み合わせが必要です。

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