耳鼻科の病気

耳がつまる

どんな症状?

耳がつまる感じ(以後耳閉感と表します)は、最近になって特に注目されはじめた症状です。それは低音障害型感音難聴という概念が注目を集めるようになったからです。山に昇ったような、トンネルに入ったような、耳に水が入ったような、など患者さんによって様々な表現をされます。耳閉感を示す代表的な病気は、滲出性中耳炎や耳管狭窄など耳管の疾患ですが、この他にも実際に外耳道や中耳に分泌物や耳垢がたまって閉塞している場合や、原因に関わらず、難聴がある場合にも耳閉を感じることがあります。

主要な病気を挙げておきます。

外耳疾患

代表的なのは、実際に物理的に外耳道が閉塞している耳垢栓塞です。これは診察で診断できます。また外耳炎や耳せつでも分泌物の貯留などにより耳閉感を生じることがあります。

中耳疾患

耳管狭窄症と滲出性中耳炎では耳閉感が主症状になることが多いです。滲出性中耳炎では難聴を伴うこともあります。いずれも診察、聴力検査、ティンパノメトリ-などで診断します。また耳管拡張症でも耳閉感が主症状となることが多いので、鑑別が重要です。 急性中耳炎でも耳閉感は生じますが、痛みが強いため気付かれないこともあります。

内耳疾患

内耳疾患で耳閉感が主症状になるのは、突発性難聴の一部や過牛型メニエール病などで見られる低音障害型感音難聴です。低い音が聞き取りにくい状態なのですが、低い音は日常で耳にすることが少ないので難聴に気付きにくく、耳閉感のみを感じられることも多いです。聴力検査で診断します。他のタイプの突発性難聴でも難聴に耳閉感を伴うことは稀ではありません。メニエール病外リンパ瘻でも耳閉感がありますが、通 常めまいや難聴が主症状になります。

その他

聴神経腫瘍、顎関節症でも耳閉感を生じることがあります。また急性鼻咽頭炎上咽頭腫瘍では、耳管咽頭口という部分が閉塞されることによって、二次的に耳管狭窄のような状態になり、やはり耳閉感を生じることがあります。

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