耳鼻科の病気

鼻水が出る

どんな症状?

正常な鼻腔では、1日約1リットルの鼻汁が分泌されています。この大部分は、吸った空気に湿気を与えるために使用されて、残りは自然に飲み込まれています。このような量 、性状ともに正常な鼻汁は、日常自覚されることはありませんが、感染やアレルギーなどによって、量 や質が変化した場合は、鼻漏(鼻水が鼻孔や咽頭へと流れ出ること)として自覚されます。

鼻漏の原因を考える際に、鼻汁の性状に注目するとわかりやすいです。漿液性(または水様性)、粘液性、膿性(または粘膿性)、血性、悪臭を伴う鼻汁などの性状の違いがあります。また両側か片側か、他の症状(顔の痛みなど)を伴っているか、なども診断の手がかりとなります。

漿液性鼻漏

透明で粘稠度が低く水っぽい鼻水が出ます。主にアレルギー性鼻炎急性鼻炎の初期に見られるタイプの鼻漏です。急性鼻炎では咽頭痛や発熱などの症状を伴うことが多いことから区別 がつく場合が多いです。また血管運動性鼻炎でも同様に漿液性鼻漏が見られます。老人によく見られる漿液性鼻漏は、自律神経の障害や、鼻粘膜の反応異常によるものと考えられ、血管運動性鼻炎と同様の病態とされています。また頭の外傷などで、髄液が鼻から漏れている(髄液鼻漏)場合も漿液性鼻漏となります。

粘液性鼻漏

粘稠度はあるけれど色調は透明から薄い色の鼻水が出ます。急性鼻炎の発症から数日たった頃や、慢性副鼻腔炎で細菌感染が著明でない時に見られます。下にある膿性に移行することも多いです。

膿性鼻漏

細菌感染をおこしている時に見られるタイプの鼻漏で、色が濃く、粘稠で臭いを伴うこともしばしばあります。慢性副鼻腔炎で細菌感染が著明な時に見られます。急性副鼻腔炎や歯性上顎洞炎でも膿性になることが多いです。この場合は、頬部痛を伴うことが多いです。

その他

血の混じった血性鼻漏は、外傷の時や、急速に炎症が起きている場合に見られます。進行性鼻壊疽という病気や、悪性腫瘍で見られることもあります。

悪臭を伴う鼻汁の場合、大人では進行性鼻壊疽や副鼻腔真菌症の可能性もあります。子供で片側のみの場合は、異物のことも多いです。

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